


企業を取り巻く紛争は、法的な論点の複雑化・多様化が進んでおり、その解決には、法解釈に関する深い知見に加えて、クライアントの事業や業界慣行への理解と、手続の全体を見通した戦略の構築が求められます。当事務所は、国内外の訴訟・仲裁・調停等の各種紛争解決手続について豊富な経験を有しており、とりわけ、株主代表訴訟、取締役・監査役の責任追及訴訟をはじめとする会社訴訟や、争点が多岐にわたる複雑・難解な訴訟に携わってまいりました。
証拠の徹底した分析:紛争の帰趨を決するのは、多くの場合、法律論そのものよりも、事実と証拠です。当事務所は、膨大な資料の中から事案の核心となる事実を見極め、証拠を徹底的に分析・検討することを、紛争解決業務の基礎に据えております。
率直な見通しの提示:分析の結果に基づき、勝訴可能性や解決までの道筋について、希望的観測を排した率直な見通しをお示しします。的確な見通しこそが、適切な経営判断の前提となると考えるためです。
最善の利益の実現:判決による解決のみが最善であるとは限りません。訴訟追行と並行して、和解・交渉による解決や事業への影響も視野に入れ、クライアントにとっての最善の利益を実現する方針を、ともに検討し、遂行いたします。

株主代表訴訟や取締役・監査役の責任追及訴訟をはじめとする会社訴訟は、当事務所が最も得意とする分野です。当事務所の弁護士は、会社訴訟・役員責任に関する論文・書籍の執筆を通じて理論面の研究を継続しており、判例・学説の最先端の議論を踏まえた主張立証を行うよう努めております。実務と理論の双方に立脚した検討は、前例のない論点を含む複雑な事案においてこそ、力を発揮するものと考えております。
責任を追及された役員個人の代理をお引き受けする場合には、経営判断原則をはじめとする過去の裁判例を徹底的に分析し、当時の状況において当該判断がいかに合理的であったかを、記録に基づいて丁寧に再構成いたします。役員個人にとって、責任追及は財産のみならず名誉に関わる重大事です。当事務所は、法的な防御を尽くすことはもとより、長期にわたる手続の間、ご本人に寄り添い、見通しを共有しながら進めることを大切にしております。
また、役員責任と密接に関わるD&O保険(会社役員賠償責任保険)についても深い知見を有しており、保険による防御費用・損害の填補の可否の検討、保険会社への通知・協議への対応、会社における補償契約・保険設計の見直しに関する助言まで、一体的に対応いたします。
紛争が国境を越える場合にも対応しております。米国訴訟におけるディスカバリー(証拠開示手続)への対応については、広範な文書提出義務や証言録取(デポジション)といった日本にはない手続を見据え、日本企業側での文書の保全・収集・レビューから提出戦略まで一貫して支援いたします。また、国際仲裁(ICC、SIAC、JCAA等の仲裁機関による手続を含む)についても、代理・支援の経験を有する弁護士が在籍しております。これらの案件では、必要に応じて、現地の有力な海外法律事務所と協働し、日本側のカウンセルとして全体の戦略を統括しながら、クライアントの負担とコストの適正化を図ります。
当事務所は、企業活動から生じる紛争全般に対応しております。近時取り扱った裁判・紛争案件の実例として、次のようなものがあります。
• 株主代表訴訟(役員側での防御)
• 取締役・監査役に対する責任追及(交渉・訴訟)
• プロモーション契約の報酬をめぐる紛争
• システム開発をめぐる紛争
• 売買代金等の債権回収・強制執行
• 知的財産権侵害訴訟における防御
• 残業代請求・解雇の効力をめぐる紛争
• ハラスメントに関する労働審判
• 米国訴訟におけるディスカバリー対応
• 国際仲裁への対応(海外法律事務所との協働を含む)
• 突発的な事故に起因する紛争
上記はあくまで実例の一部であり、ここに挙げた類型に限らず、会社・株主間の紛争、業務提携や合弁の解消をめぐる紛争、不正調査に端を発する責任追及、行政処分を争う手続など、企業が直面するあらゆる紛争についてご相談いただけます。M&Aに起因する紛争(表明保証違反に基づく補償請求等)については、「M&A・組織再編」のページも併せてご覧ください。
弁護士費用は、事案の内容に応じて、着手金・報酬金方式(請求額・経済的利益等を基準とする方式)またはタイムチャージ(時間制報酬)のいずれかによりお見積りいたします。初回のご相談の際に、事案の概要と資料を拝見した上で、見通しと併せて費用の概算をご提示し、ご納得いただいてからご依頼いただくようにしております。長期化が見込まれる訴訟や国際案件については、より柔軟な予算設定にも応じておりますので、ご相談ください。
事実と証拠の的確な把握が紛争解決の成否を分けますが、その手がかりの多くは、ご依頼者の側にございます。たとえば、相手方や関係者との間で取り交わされたメールやビジネスチャット(Slack、Teams等)の履歴、稟議書・取締役会議事録・報告書などの社内文書、契約書とその改訂の経緯、担当者が当時作成したメモ、そして経緯を知る関係者の記憶などが、事案の核心を明らかにする重要な証拠となることがあります。これらの電子データや書類は、時間の経過や社内の保存期間の満了、担当者の異動・退職などによって、失われてしまうことが少なくありません。当事務所が最善の主張立証を尽くすためには、できるだけ早い段階で関連する資料を保全・収集し、事実関係の調査に、ご依頼者のご協力をいただくことが不可欠です。
当事務所は、手続の各段階で見通しと方針を率直に共有し、ご依頼者とともに議論を重ねながら、信頼関係のもとで紛争の解決にあたることを何よりも大切にしております。ご不明な点やご不安な点は、いつでも遠慮なくお申し付けください。
紛争の予兆がある段階からご相談いただくことが、採り得る選択肢を最も広く保つことにつながります。訴訟を提起された場合はもとより、早期のご相談をお勧めいたします。